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Ori_house

横浜市 / 住宅 / 木造 地上2階 / 2013 / 撮影:太田 拓実

敷地は約2mほど高低差のある、十数年前に区画整理された住宅街の一角である。住宅街として人気があり人口が増え続けているが、各区画が200㎡前後と敷地にゆとりがあることや、農地がまばらにあること、近くに公園があること等、比較的落ち着いた住みやすい地域である。

そこに、お母さん、若夫婦、子供2人の家族5人のための生活を形にする。そのために、この建物には生活の要素から2つのキーワードを抽出し、計画することとした。

1つ目は「開放性」である。住宅街で計画する際にはこの開放性のバランスは非常に気を使う部分であり、建物としては開放しているが生活がカーテンなどを閉めた閉鎖的になってしまっては本末転倒である。そこで、南側にコートをつくり木造でありながらもコート側は全面開放すること、上部のスリット窓を多用することで、空を見上げられる空間とすることとした。

2つ目のキーワードは「連続性」である。これは、子供達が動き回れる家、家事のしやすい動線計画、空気の流れ、光の動き、視覚的つながりという、動きや変化を感じられるように考えた。また、この連続性が一つのシークエンスとなり、住む人あるいは来客を迎えてもくれる。

これらのいわゆる標準的な空間操作によって、一見壁で囲われた閉鎖的な家のようであるが内部空間に快適性と安らぎをもたらしてくれる生活の形となった。

2つのキーワードを軸に、引戸を多用することや、回遊性のある平面計画、将来の間仕切りの計画、収納の分散など、機能のディティールに詰めることで、より質の高い住宅になったと考える。